旅の最終日、旭川空港で再会した「梅光軒」。本店の醤油とは異なる、北海道の王道「味噌バターコーン」という重戦車に挑む。フードコートと侮るなかれ。旅の余韻に浸りながら味わう、濃厚かつボリューム満点な一杯の満足感と、本店との違いについてまとめる。
本店への敬意と、空港での新たな欲望
旭川ラーメン3番勝負、最終日。 昨夜、「梅光軒 本店」で食べた醤油ラーメンのバランスの良さは、家系育ちの私の記憶に深く刻まれた。 フライトまでの時間、旭川空港のフードコートで再びその暖簾を目にした時、私の胃袋は新たな欲望に駆られた。
「本店の醤油は繊細だった。では、味噌はどうだ?」 北海道といえば味噌、そしてバターコーン。本店では邪道とも取られかねないこの組み合わせも、空港という解放区なら許される気がした。 オーダーしたのは「味噌バターコーンラーメン」、価格は1,300円。 旅の思い出を強引に詰め込むような、カロリー度外視のフル装備で挑む。

視覚で圧倒する「王者の風格」とバターの誘惑
呼び出しベルが鳴り、運ばれてきた一杯。そのビジュアルは、まさに「王者の風格」だ。 黄金色のバターが熱でゆっくりと溶け出し、山盛りのコーンが輝いている。昨夜の醤油ラーメンで見せた「職人の顔」とは違う、観光客を全力で歓迎する「エンターテイナーの顔」だ。
スープを一口。……強い。 味噌のコクがガツンと響き、そこにバターの動物的な脂分が加勢する。昨夜感動した繊細な出汁感とは対極にあるが、空港という非日常の空間では、この分かりやすい「強さ」こそが正義だ。
三種の神器と重戦車級の破壊力
麺を啜ると、その印象はさらに加速する。 昨夜は心地よく鼻を抜けた小麦の香りが、今日は濃厚な味噌とバターのコクの前で完全に影を潜めている。だが、それでいい。 「味噌・バター・コーン」。 この三種の神器による波状攻撃は、細かい理屈をねじ伏せるほどに力強く、そして旨い。バターがスープに溶け込むにつれ、味はより凶悪に、しかし抗いがたい魅力を放ち始める。これはラーメンというより、一台の重戦車だ。私の空腹と旅の疲れを、キャタピラで力強く踏み荒らしていくような快感がある。
「もやし×挽肉」の追撃で完成する無敵武装
だが、この一杯の真価はここからだ。 三種の神器という重装備に加え、さらに畳み掛けるように「もやし×挽肉」のダブル攻撃が襲いかかる。
味噌ラーメンにおいて、野菜の調理法は死活問題である。単に茹でただけの水っぽいもやしなら、防御力は下がり、興奮は冷めていただろう。それは長年の経験則が告げる真理だ。 しかし、ここは違う。挽肉の脂と旨味を纏い、香ばしく炒められたもやしが、麺に絡みつく。 三種の神器の破壊力に、このダブル攻撃が加わることで、隙など微塵もない「無敵武装」が完成する。濃厚なスープ、甘いコーン、そして香ばしい肉野菜。口の中で炸裂する旨味の総量は、もはや暴力の域だ。
「ああ、北海道に来てよかった」。 1,300円という価格への完全なる納得と、敗北を知らない圧倒的な満腹感。ここで止めておけば、この旅は最高のハッピーエンドで終わるはずだったのだ。ごちそうさまでした。
店舗情報
| 店名 | 梅光軒 旭川空港店 |
|---|---|
| 住所 | 北海道上川郡東神楽町東2線16-98 旭川空港 2F |
| 場所 | 旭川空港ターミナルビル 2F フードコート |
| 営業時間 | 11:00~20:00(L.O. 19:30) |
| 定休日 | 無休 |
| 支払い | 現金・カード・電子マネー可 |