【三浦海岸】漁火亭:シャツの暖簾をくぐり、魚尽くしのタッグマッチ。フライと刺身の一本勝負

【三浦海岸】漁火亭 週末の食事
【三浦海岸】漁火亭

1月17日、午後1時。 季節外れの暖かさだ。気温16度、見上げれば快晴。 目の前に広がる三浦の海。対岸には房総半島の影がうっすらと浮かんでいる。

だが、景色に浸っている時間はない。胃袋が騒いでいる。 目指すは、三浦海岸の重鎮、漁火亭

シャツの暖簾:開始5分前の攻防

店前に到着。相変わらずの独特な構えだ。 風にはためくのは、伝統的な布ではない。「シャツ」の暖簾だ。 このラフさ、飾らない姿勢。地元の漁師たちが愛する店という証拠だ。

Carl Zeiss Jena Pancolar 50mm f1.8
Carl Zeiss Jena Pancolar 50mm f1.8

時計を見る。あと5分到着が遅れていたら、満席でウェイティングの列に並ぶところだった。 危ないところだ。ギリギリのタイミングでリングイン(入店)。運は向いている。

メニュー選び:サザエご飯の消失と新たな作戦

席についても、迷っている暇はない。 この店は、刺身、煮魚、焼魚、フライから調理法を選ぶと、その日のお任せミックスで提供されるシステム。

【三浦海岸】漁火亭:メニュー
【三浦海岸】漁火亭:メニュー

お店の姉さんが親切丁寧に説明してくれる。その優しさに甘えつつ、狙っていた「サザエご飯」について尋ねる。

「ごめんね、地元で取れなくなっちゃって終了したのよ」

……なんと。 強烈なボディブローだ。名物が消えた現実は重い。 だが、ここで膝をつくわけにはいかない。すぐに体勢を立て直す。 狙いを「白飯」に切り替え、おかずの力でねじ伏せる作戦に変更。

オーダーは強気に。 「フライ定食」(1,200円)に加え、単品で「お刺身五点盛」(900円)を追加。 魚と魚のダブルメイン・タッグマッチだ。

店内は混雑しており、照明も落ち着いている。 こういう場面では、一眼レフをもたもた取り出すのは野暮だ。 機動力重視、ポケットからiPhoneを取り出し、サッと記録する。

刺身:看板に偽りありの7点盛り

提供は早い。 まずは刺身が運ばれてくる。

【三浦海岸】漁火亭:刺身
【三浦海岸】漁火亭:刺身

……多い。 メニューには「五点盛」とあったはずだ。だが、皿の上にはどう見ても7種類乗っている。 看板に偽りあり。もちろん、嬉しい方向への裏切りだ。

盛り付けに派手さはない。 料亭のような「美しさ」ではないが、漁師町の「実直さ」がある。こういうのでいい。いや、こういうのがいい。

実食。 臭み、皆無。 特に金目鯛。レアな食感が舌の上で踊る。文句なしに旨い。 そして、ラインナップを見てニヤリとする。 よくある「サーモン」や「ブリ」でお茶を濁していない。地場の魚で勝負している証拠だ。 安易な大衆迎合をしない、硬派なファイトスタイル。高く評価したい。

フライ:正体不明の柔らかさ

続いて、フライ定食の登場。

【三浦海岸】漁火亭:フライ定食
【三浦海岸】漁火亭:フライ定食

魚の種類は不明だが、それでいい。食べてからのお楽しみだ。 ソースをたっぷり回しかけ、カラシを添える。 箸を入れると、衣がサクッと音を立て、中は驚くほど柔らかい。 フワフワの白身が口の中で解ける。 ご飯はおかわり1回無料だが、今回は単品の刺身もある。ペース配分を考え、一杯の白飯を大切に攻めることにした。

脇役:三種の神器と三浦大根

定食を支えるセコンド(脇役)たちも、いい仕事をしている。 サラダにはたっぷりのゴマだれドレッシング。この濃厚さが、淡白な魚料理の合間にちょうどいいアクセントになる。

そして、特筆すべきは漬物だ。 黄色い沢庵だが、ただの沢庵ではない。三浦大根だ。 大根の葉も一緒に盛り付けられているのが憎い演出。 口に運ぶ。……旨い。 甘めの糠漬け。ポリポリとした歯応えと共に、大根の甘みが広がる。 白飯、味噌汁、そしてこの完璧な漬物。 定食における「三種の神器」が、完全に整っている。

これだけのボリュームと質で、この価格。コストパフォーマンスは最強クラスだ。

試合結果:三浦大根と平和なコーヒー

店を出る。満腹だ。 あまりに沢庵が旨かったため、その勢いで近くの販売所を探し出し、購入してしまった。 賞味期限は一週間。短いが、それこそが保存料を使っていない本物の証だ。

三浦大根で漬けた沢庵
三浦大根で漬けた沢庵

海岸沿いを歩く。 砂浜では大量の大根が干されている。三浦の冬の風物詩だ。 ここで腹ごなしに散歩を楽しむ。

マクドナルドでホットコーヒーを買い、海風に吹かれながら啜る。 16度の陽気、美味しい魚、そしてコーヒー。 ふと、口をついて出た言葉は「平和だな」。

三浦海岸マクドナルドでホットコーヒー

素晴らしい休日だった。

ごちそうさまでした。

撮影後記

食後の散歩では、iPhoneをしまい、EOS R5とオールドレンズを取り出して撮影を楽しみました。

「Carl Zeiss Pancolar 50mm」で撮った、ノスタルジックな三浦の冬景色(作例)は、以下の記事にまとめています。

👉 [記事リンク] Carl Zeiss Pancolar 50mm f1.8 Canon EOS R5:アトムレンズの黄変を楽しむ

店舗情報

店名 漁火亭(いさりびてい)
住所 神奈川県三浦市南下浦町上宮田3348
アクセス 京急久里浜線「三浦海岸駅」から徒歩5分
営業時間 11:00~14:00 / 17:00~20:00
定休日 火曜日
駐車場 なし(近隣にコインパーキングあり)
タイトルとURLをコピーしました